1.定義
破産管財人とは、破産手続きにおいて、破産財団に属する財産の管理・処分等を行う者をいいます(破産法2条12項)。
2.解説
[破産管財人の選任]
破産管財人は、破産手続開始決定と同時に、裁判所が選任します(同法74条1項)。破産管財人には、破産手続きに関する法律知識が必要とされるため、経験年数などを考慮した上で、弁護士の中から選任されます。
なお、旧破産法では、破産管財人は個人に限られると解されていましたが、現在では、法人の破産管財人も認められています(同法74条2項)。
[破産管財人の業務]
破産管財人の主な業務は、破産者の全財産を回収・処分・換価し、換価金を債権者に配当することにあります。
そのため、破産者に換価可能な財産が無いことが明らかである場合などには、破産管財人は選任されず、破産手続き開始決定と同時に破産手続きが終了してしまうことがあります(同時廃止手続と呼ばれています)。このほか、個人の自己破産では、債務の免責許可に関する調査なども行います。
3.参考条文
○破産法第2条12項
この法律において、「破産管財人」とは、破産手続において破産財産に属する財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう。
○破産法第74条
第1項:破産管財人は、裁判所が選任する。
第2項:法人は、破産管財人になることができる。