回答
個人再生には、小規模個人再生と、給与所得者等再生の2つがあります。
個人再生は、大幅に減額された借金を、原則として3年間の分割で弁済する手続です。そのため、個人再生の種類にかかわらず、再生計画の履行可能性が認められる必要があります。特に、給与所得者等再生においては、給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込みがあり、かつ、その額の変動の幅が小さい(概ねプラスマイナス20%以内)と見込まれる必要があります(民事再生法239条1項)。
アルバイトや派遣社員の方であっても、従前の就業状況、派遣期間、将来的な雇用継続の見込みや収入額、その他収入及び財産の有無等に照らし、定期的かつ安定した収入が将来的に見込める場合は、個人再生手続を利用することができます。
解説
民事再生法上、正社員か派遣社員か、あるいは、アルバイトか否か等、雇用形態について特に規定されていません。したがって、アルバイトだから個人再生できない、また、派遣社員だから個人再生できないということはありません。
ただし、個人再生は、大幅に減額された借金を、原則として3年間の分割で弁済する手続です。そのため、定期的かつ安定した収入が将来的に見込めることが必要です。この要件を満たすためには、これまでの勤務履歴や今後の就業見込みが重要になります。
短期のアルバイトや派遣業務を繰り返している場合や、短期間で就職と休職を繰り返している場合などは、定期的かつ安定した収入が将来的に見込めるとはいえないと、裁判所が判断する可能性があります。
また、ここでいう収入は、債務者の生活を維持し、かつ、再生計画に従った返済を行うのに十分な収入が必要です。
アルバイト等で定期的かつ安定した収入があるとしても、生活費でめいっぱいで、再生計画に従った返済が行えない場合、「再生計画が遂行される見込みがない」(民事再生法第174条第2項2号)として、再生計画が認可されない可能性があります。