回答
自己破産しても、破産手続開始決定時以降に取得した財産は、自由財産として、手元に残すことができます。
解説
破産手続とは、経済的に破たんし、借金などの債務全てを返済できない状態に陥った破産者について、破産者の財産を処分してお金に換え(換価手続といいます)、そのお金を債権者に公平に配当(配当手続といいます)する裁判手続をいいます。
破産法では、この換価の対象となる財産を、「破産者が破産手続開始の時において有する一切の財産」(破産法34条1項)と定めています。逆にいえば、破産者が破産手続開始の時以降に取得した財産は、換価の対象にはならないということです。この破産手続開始後に取得した財産を、新得財産と呼びます。
破産者は、破産手続によって財産を失うとしても、その後の免責手続で税金等を除いた借金などの債務は免責を受け、また、破産手続開始以降に新たな財産を得ることで、生活の再建を図ることになります。
参考条文
(破産法)
(破産財団の範囲)
第三十四条 破産者が破産手続開始の時において有する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。
2 破産者が破産手続開始前に生じた原因に基づいて行うことがある将来の請求権は、破産財団に属する。
3 第一項の規定にかかわらず、次に掲げる財産は、破産財団に属しない。
4 裁判所は、破産手続開始の決定があった時から当該決定が確定した日以後一月を経過する日までの間、破産者の申立てにより又は職権で、決定で、破産者の生活の状況、破産手続開始の時において破産者が有していた前項各号に掲げる財産の種類及び額、破産者が収入を得る見込みその他の事情を考慮して、破産財団に属しない財産の範囲を拡張することができる。
5 裁判所は、前項の決定をするに当たっては、破産管財人の意見を聴かなければならない。
6 第四項の申立てを却下する決定に対しては、破産者は、即時抗告をすることができる。
7 第四項の決定又は前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を破産者及び破産管財人に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。