個人再生をすると、借金の返済額を大きく減額することができますし、住宅資金特別条項を使って家を守ることも可能です。
ただ、個人再生には、かなりたくさんの書類が必要になるので、構えてしまっている方もいるのではないでしょうか?
今回は、個人再生するために必要な書類一覧を、中部法律事務所の弁護士が解説します。
1.個人再生するときに集めなければならない書類一覧
個人再生をするときには、依頼者が集めるべき書類と、弁護士が集めたり作成したりする書類があります。
弁護士に依頼すると、難しい書類は弁護士が作成するので、依頼者の負担は小さくなります。
ただし、依頼者が集めるべき書類もたくさんあるので、それなりの負担がかかることは事実です。
以下で、個人再生で依頼者が集めなければならない一般的な必要書類(名古屋地方裁判所の運用)について、個別に解説をします。なお、必要書類は事案により異なるため、個人再生を検討されている方は弁護士にご相談ください。
●住民票
住民票も、発行後3ヶ月以内のものが必要です。本籍地や続柄などの省略がなく、世帯全員の分を取得しましょう。
●賃貸借契約書
住民票上の住所に居住していない場合には、賃貸借契約書のコピーが必要となります。
●収入の証明書
会社員や公務員、アルバイトやパートなどの場合には、過去2年分の源泉徴収票と過去3ヶ月分の給与明細書が必要です。自営業者の場合、過去2年分の確定申告書の控えが必要です。
その他の所得がある人や無収入の人は、過去2年分の住民税証明書が必要です。
児童手当や生活保護などを受けている場合、それらの証明が必要です。年金についても証明書が必要となります。
●預貯金通帳
再生債務者名義の預貯金がある場合、過去1年分の預貯金通帳の写しが必要です。
●取引明細書
通帳を紛失している場合や一括記帳になる場合には、その期間の取引明細書が必要となります。金融機関で取り寄せましょう。
●生命保険証書
生命保険に加入しているときには、生命保険証書が必要です。火災保険や他の保険でも、同じです。
●解約返戻金証明書
保険に加入している場合、解約返戻金証明書が必要です。掛け捨ての場合でも必要になるので、保険会社から取得しましょう。
●退職金(見込)額証明書
サラリーマンや公務員の場合、退職金証明書が必要です。勤務先に発行してもらいましょう。
●退職金支給規程と計算書
退職金見込額証明書を発行してもらえないケースでは、退職金規程を入手して、自分で計算してもかまいません。退職金規程の写しと計算書を提出しましょう。
●不動産登記簿謄本
不動産を所有している場合には、不動産登記簿謄本(全部事項証明書)が必要です。法務局で取得しましょう。
●固定資産評価証明書
固定資産税証明書は、市町村役場で入手します。
●不動産の評価に関する書類
不動産がある場合、評価書が必要です。不動産業者に簡易査定を依頼すると良いでしょう。
●土地利用関係を示す資料
家が借地上に建っている場合などには、借地契約書が必要です。
●車検証(又は登録事項証明書)
車を所有している場合、車検証が必要となります。
●自動車の評価に関する書類
自動車の評価書については、中古車ショップに依頼するかディーラーに下取り価格を出してもらうなどしましょう。
●積立額証明書
積立金がある場合、その証明書が必要です。
●家計収支表(直近2か月分)
直近2ヶ月分の、収入と支出の表を作成する必要があります。弁護士から書式を渡されるので、世帯全員分をまとめて作成しましょう。
●事業収支実績表(直近6か月分)
事業者が個人再生をするときには、最近半年間の事業収支の表を作成する必要があります。弁護士から書式を渡されるので、それに従って作成しましょう。
●(仮)差押決定正本等
債権者から差押えや仮差押を受けている場合、裁判所から届いている差押え決定正本等の書類が必要です。
●滞納処分差押通知
税金の滞納があって、滞納処分を受けている場合には、税務署などから届いている滞納処分差し押さえ通知を提出しましょう。
●金銭消費貸借契約書・保証委託契約書・償還表
住宅資金特別条項を利用するときに必要となります。
2.個人再生するときに弁護士が用意する書類
以下の書類は、弁護士に個人再生の申立を依頼すると、弁護士が集めたり作成したりしますので、自分で用意する必要はありません。ただ、書類作成のために聞き取りなどが行われるので、きちんと対応しましょう。
弁護士に依頼しない場合には、債務者が自分で作成しなければなりません。
●個人再生申立書・陳述書
●債権者一覧表
●財産目録
●弁済許可申立書
●再生計画案、弁済計画表
●可処分所得算出シート
●債権調査票(弁護士が集めます)
以上のように、個人再生では、必要書類がかなり多いのですが、弁護士の指示に従って順番に集めていけば、それほど大変ではありません。今後個人再生をするときの参考にしてみてください。